■1 労務問題や悩みで経営者の方は得をするか?
まず、私はまだお会いしたことがないのですが、「労務問題や悩みが大好き!」という経営者の方は、日本で数人いるかいないかだと思います。
労務問題や悩みは、即、経営者の方の感情に響いてきます(悪い意味で)。
そして、発生した場合、経営者の方が得をするということは一切ありません。
なぜならば、労務の分野で、労働者と争って経営者の方が得をする法律はないからです。
重要なのは、いかに損害をゼロに近づけるか、なのです。
ですので、ビジネスライク(事務的、能率的)に考えていただければ当然のことなのですが、発生させない方が良いに決まっているのです。
■2 得をしないのになぜ、経営者の方はビジネスライクになりづらいのか?
この点は、私自身にも大いに当てはまるのですが、一言で申し上げますと「信頼と期待を裏切られたから」どうしても感情が先走ってしまうのだと思います。
得をしなのに、泥沼の労務問題に突入するパターンの原因の一つは、経営者の方の「問題社員を許せない」という強いお気持ちだと感じています。
私自身も、信頼し期待していた人に裏切られたら、かなり悔しい思いをいたします。
経営者の方は、労働に対する賃金(お金)を払っていますので、余計にそうなると思います。
私に例えると、「月30万円で加入したサービスが、全く期待外れで、かつ第一印象で信頼した担当者が実は残念な人で、解約してお金を返して欲しいぐらい不愉快」ということだと思います。
ですので、悔しいという強い感情が理性を超えてしまい、労務問題や悩みに遭遇した時にビジネスライクになれないのだと思います。
私自身は、そのようなお気持ちになって、当然だと思っています。
悔しい思いをするだけの「従業員に対する信頼と期待」がなければ、会社経営をやっていけるはずはないと、いつも思っています。
(上場企業の経営者には、情を超える冷徹さが求められる気がしますが。)
■3 では、感情論でぶつかっていけば良いのか?
決してそうではありません。
労務問題や悩みが発生した時ほど、普段と同じく、淡々と対処するのが極めて大事になってきます。
そうしないと、大局観に立てずに、経営者として誤った判断をしてしまう可能性が高くなってしまいます。
しかし、高ぶった感情を整理してすぐに冷静になれるかというと、ほぼ不可能だと思います。
少なくとも、私自身は、ほぼ不可能です。
では、こういうときにどうすれば良いのでしょうか?
■4 やっぱり信頼できる右腕と冨島に、まずはお話を
経営者の方のお気持ちを踏まえ、お話しを冷静にお聞きすることができます。
この「冷静に」というのが大事なのです。
信頼できる右腕の方がいらっしゃれば、まずその方に経営者の方のお気持ちをお話しいただき、右腕の方には、労務問題や悩みがどうすれば解決へ向かうか、冷静に分析していただきたいのです。
そして、冨島にお話しいただくことで、その後の法的見通しを何パターンかお示しでき、経営者の方も冷静さを徐々に取り戻していただき、最終的に、ビジネスライクに英断を下していただけるようになるかと思います。
■5 冨島に言われなくても!
そうなのです。
冨島に言われなくても、冷静さが大事なことは、経営者の方はよくご存じです。
お仲間の社長から相談を受けられたら、きっと、冷静にアドバイスされると思います。
しかし、人間というのは不思議なもので、相手に対する自分の信頼と期待が裏切られたら、感情が理性を超えてしまうことが多々あるのだと思います。
そんな時は、経営者の方のお気持ちを、必ず右腕の方や冨島にお話しください。
経営者の方お一人の感情にまかせて「労務問題や悩み」に対処してしまいますと、かなりの高い確率で「更に不愉快な事案」に発展してしまいますので。
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