新・定額残業手当制度の導入

弊事務所の重要業務の一つが、新定額残業手当制度の導入(賃金規程・明細・運用の抜本的変更)です。

テックジャパン事件判決(最一小判平成24年3月8日)以降、企業の定額残業手当制度が裁判所で否定されはじめ、平成25年夏ごろにはその流れが決定的になってきました。

同年同時期より、裁判所などの司法の場(弁護士との任意交渉含む)でも耐え得る新定額残業手当制度の導入を最重要業務と決め、今日まで精進してまいりました。

1 御社の今の定額残業手当は本当に大丈夫ですか?

まずは、テックジャパン事件と定額残業手当を否定する裁判例をご覧ください。

 

上記の定額残業手当を否定する裁判例をお読みいただいて、御社はいかがでしたか?

弊事務所のこれまでの実務経験で断言できることは、従来の定額残業手当を導入している企業・法人のほとんどが、これらの否定例に該当するということです。

この事実は、残念ながら、未払い残業代を請求された後になってはじめて、深刻な問題として認識される場合が多いです。

2 上記否定裁判例が該当した場合に今すぐやるべきこと

未払い残業代請求をされる前に、従来の定額残業手当を廃止し、新定額残業手当制度を導入してください。

なぜなら、請求された後では時すでに遅しで、制度変更への従業員の同意が得られなくなる可能性が非常に高くなるからです。

一般の従業員にも請求の事実が伝わると、制度変更への同意は非常にハードルの高いものとなります。

  • 未払い残業代請求の権利を、簡単には放棄しないでしょう。

  • 従業員個々人の同意がないと、法的には、原則として制度変更は(不利益変更に該当するケースがほとんどのため)認められません。

 

3 新定額残業手当制度導入の際の主な注意点

  • 賃金規程がきちんとしているのは当然ですが、規程を変更しただけでは、全く意味がありません。

  • 適切な労働時間管理、給与明細への適切で詳細な明示、差額支給等、運用をきちんとしなければ、規程は絵に描いた餅になってしまいます。

  • 旧制度から新制度への変更手続き等がきちんとしていなければ、変更自体が有効にはなりません。

  • 従業員個々人から取り付ける合意書の内容に不備があれば、こちらも変更自体が有効にはなりません。

  • すなわち、司法から否定されないために必要となる、適切な「規程・変更手続き・変更の合意書・運用実態・労働法を順守する会社の姿勢」などの事由が一つでも欠けてしまいますと、制度全体が意味ないものになってしまいますのでご注意ください。

 

4 新定額残業手当の規定例

弊事務所の新定額残業手当制度の導入サービスをイメージしていただくため、規定例を公開しています。

ただし、ホームページで公開できない情報は、●としています。 

上記注意点で述べておりますとおり、規定がいくら整備されていても、労働時間管理や運用がきちんとしていなければ、司法では否定されます。

下記規定例は、あくまで弊事務所のホームページをご覧になられた方にまずはイメージしていただくためだけのものです。

非公開の情報はありますが、この公開した規定だけでも御社や他の規定例等と比べてみてください。

きっと、多くの相違点があるはずです。

(定額残業手当)

第20条 定額残業手当は、会社の業務命令を社員が遂行する上で、明らかに恒常的に所定労働時間を超えて就業せざるを得ないことが予想される社員に対し、●●●第21条に定める時間外勤務手当(●●●●●●●●を●●●)の●●●として支給する。定額残業手当の額は、第21条に定める計算式によって算出される●●●●●●●●●●●●●●●の時間外勤務手当(●●●●●●●●●●を●●●)の●時間分とする。

② 前項の定額残業手当は、その全額につき、第21条に定める時間外勤務手当(●●●●●●●●を●●●)の●●●として支給する。

③ 第21条にて算出した結果、第1項の定額残業手当の額を超えて第21条に定める時間外勤務手当(●●●●●●●●を●●●)を支給するべきときは、差額を●●●●●●●●●●(●●●●●●●●を●●●)により支給する。

 

(時間外勤務手当・休日勤務手当・深夜勤務手当)

第21条 時間外勤務手当、休日勤務手当、深夜勤務手当は、法定労働時間外、法定休日あるいは深夜時間に勤務することを命ぜられ、または承認を得てその勤務に服した社員に支給する。

② 前項の手当の計算式を次のように定める。

     基準内賃金÷所定労働時間×支給率×労働時間数

③ 前項の数式において次の通り定める。

1 所定労働時間とは、一賃金計算期間中の所定労働時間をいい、月ごとに所定労働時間が変わる場合は1年間の平均とする。

2 基準内賃金からは次に掲げるものを除く。

 イ.住宅手当

 ロ.通勤手当

3 支給率は次の通りとする。

 イ.時間外勤務手当

  a.時間外勤務手当分-----------------0.25(法定労働時間外の場合)

  b.時給分-----------------------------1.00

 ロ.休日勤務手当

  a.休日勤務手当分--------------------0.35(法定休日の場合)

  b.時給分------------------------------1.00

 ハ.深夜勤務手当

  a.深夜勤務手当分--------------------0.25

4 労働時間とは、就業規則に定める手続きを経て承認を得た時間のみをいう。

5 規定例よりもっと重要なポイント

  • 新定額残業手当の有効性を基礎づける適切な労働時間管理

  • 新定額残業手当の有効性を基礎づける給与明細への明示事項

  • 新定額残業手当の有効性を基礎づける給与明細に同封する別紙への明示事項

  • 具体的な方法などは、お客さまごとでご提案が異なります。

  • お客さまごとに、労働時間のあり方・手当の種類・勤怠管理・給与計算ソフト・給与明細などが違うためです。

  • 上記規定例と違い、これらは全て弊事務所の営業秘密のため、申し訳ありませんが全部が非公開です。

 

6 ここまでお読みいただいた方には、お早めのご相談をお勧めいたします

  • 御社に存在するリスクをご認識いただけたかと思います。

  • リスクが小さいうちに手を打っていただくのが、労務問題への対応の基本です。

  • 未払い残業代請求が起きた時には、本当にあたふたします。

  • 従業員全員からの集団訴訟になれば、もうその時には手遅れです。

  • 新・定額残業手当制度の導入に長い経験と実績がある弊事務所へ、お早めにご相談いただくのが、御社が今すぐできる最初の行動です。