top of page

会社が行う問題社員対応の最善策

更新日:2022年11月24日

■1 まず、なぜ問題社員対応を会社はするべきなのか?

問題社員対応をすべきと私が考えるのは、問題社員だけの問題ではなく、真面目に働いている多くの社員をがっかりさせない(モラル低下を防ぐ)ためです。

問題社員にもいろんな類型がありますが、典型的なのは、「勤怠不良・仮病・不真面目・さぼる・反抗的」です。

このような典型例を会社内で放置しておきますと、真面目な社員が悪いほうへ引っ張られるか、もっと働き甲斐のある会社に転職するか、ぼちぼちしか仕事をしない(可もなく不可もない)社員になってしまうかと思います。

ですので、会社は、上記のような問題社員がいた場合、必ず何らかの対応をすべきと思っています。


■2 会社の対応を多くの社員はじっと見ている

上記のような問題社員に対して、会社はどのように対応するのか、社員はじっとみています。

ですので、やはり、毅然と対応すべきです。

管理職の方からすると、パワハラ主張を避けるため、業務指導にならない声掛けで終わっているケースもあると思います。

問題社員からすると、「何を言われてもどうってことないから、上司の言うことは聞かない」という態度で居続けても、その後の会社・上司からの指導等がなければ、社内での居心地の良さは変わらず、結果、何も改善することはありません。


■3 会社にとっての伝家の宝刀

盲点なのかもしれませんが、法的に正当で、社会通念上も正当で、労働組合や弁護士などの第三者が介入する話になりづらい方法があります。

それは、極めてシンプルですが、「労働契約の通りきっちり働いてもらう」ということです。

きっちり働いてもらう(労働者の義務)ことによって、会社は賃金を払う(会社の義務)のです。

これが大原則ですから、きっちり働いていなければ、指導教育等をどんどんすべき(書面等で証拠を残しながら)ですし、さぼっていないかどうかを見える化するために、業務日報を書かせるべきです。

※労基法は、「労働時間」に対する「賃金支払い義務」となっているため、「きっちり労働していない時間」でも賃金を支払わねばならない点に、会社からすると不公平感がありますが、労働者保護の法律のためやむを得ないのと、だからこそ、業務日報を書かせて見える化し、問題があれば改善させるべきなのです。


■4 思わずやってしまいがちな会社対応は問題を複雑化するリスクあり

上記■3ではなく、辞めさせよう辞めさせようという気持ちが先走って、そのような方向をまず形作ってしまうケースが多くあります。

退職勧奨について、解雇よりも格段に法的リスクが低いため反対はしませんが、「準備時間・労力・それなりのお金」がかかります。

退職勧奨よりも前にやっていただきたいのは、「目に見える形できっちり働いてもらうこと」です。

これは、実は、かなり効果があるのです。

会社からしますと、気持ち的に乗り気になれないことがあると思いますが、問題社員の思惑(放置=居心地が良い、違法性のある配転・退職勧奨等=労組・弁護士等を絡めて金銭解決)に乗ってはいけないのです。

なぜなら、問題がより大きなものに発展するリスクがあるからです。

ですので、まずは、その逆を会社が選択するほうが、「問題社員の解決、会社のモラル維持等」について、効果が大きく出ます。


■5 この伝家の宝刀は、今に始まったことではない

私が社労士になりたての2009年当時から、問題社員には「きっちり働いてもらう」ことが効果的だと言われていました。

ただ、私のように、労務問題を専門に扱っている社労士の間だけの話ですので、全国的にも関東圏的にも、このような見解は少数でしたが…。


契約内容である労働をきっちり履行してもらう、だから賃金をきっちり払う、というとてもシンプルなことが、とても大事だと思います。

そして、きっちり働いているかどうかを見える化するため、できていなければ会社が指導教育等をするために、「業務日報」をその問題社員に書かせるのです。

(当該問題社員を狙い撃ちにしたパワハラだとの主張もあり得ますが、毅然と「あなたの業務の見える化と、会社があなたに指導教育等をするために業務上必要なものであり、他の人でも同様のケースなら業務日報を書いてもらいます」という趣旨をお話しください。)


■6 伝家の宝刀で結果はどうなる?

心から改善しようという問題社員は、問題行動を改善します。

改善する気のない問題社員は、自ら退職することが多いです。

会社として気を付けていただきたいのは、業務日報への上長のコメント等や普段の会話の中でも、絶対に感情に流されてはいけないということです。

業務日報のコメントは文字で、普段の会話は録音で、証拠が残ります。

かなり気を付けていても、感情的になるときもあると思いますので、少なくとも業務日報について、「冷静に淡々と業務上の必要性を伴った内容」になっているか、用心していただきたいと思います。


■7 さいごに

問題社員対応は、一言で申し上げますと、手間がかかります。

しかし、絶対に放置だけはしないでください。

良いことは広がりにくいですが、悪いこと(問題社員のさぼり等)は広がりやすいです。

私自身、問題社員には毅然と対応していただき、多くの真面目な社員が報われる会社にしていただきたいと、日ごろから強く思っております。

最新記事

すべて表示

ゆるブラック企業とは?20代はどうみている?求職者が選ぶ労働条件とは?

■1 ゆるブラック企業とは? 社労士の会報で見かけた言葉で、私自身は、初めて目にした言葉です。 記事によりますと、ゆるブラック企業とは「仕事は楽だが、成長できず収入も上がらない企業」を指すようです。 なんとも言えない定義ですが、このとらえ方を「わがまま」と認識しない方が良い世の中に変貌してきたのかなと感じてしまいました。 ■2 20代は「ゆるブラック企業」をどうみているか? 「ゆるブラック企業だか

季節性インフルエンザへの会社対応(令和6年アップデート版)

■1 季節性インフルエンザで休んでいいよと言ったら? このような会社の言い方ですと、「雪が予測されるから早く帰っていいよ」という言い方と同じ理屈で、100%の賃金支払い義務が会社に発生する(就労免除のため)と、私はこれまでご説明してまいりました。 この点は、基本的に変わりません。 笑い話として「じゃんけんと同じで、先に出した(上記の場合は、先に言った)方の負け」と、いろんなところで申し上げてまいり

自社での降格と降職の違いは区別すべき

■1 降格は学説・裁判例・弁護士の見解により様々 1-1学説 労働法の権威で学者の菅野和夫先生の「労働法(第十版)」510項(弘文堂)」で、 降格には ・役職や職位を引き下げる降格(昇進の反対)を指す場合 ・職能資格制度における等級を引き下げる降格(昇格の反対)を指す場合 があり、 また、 ・人事権の行使として行われる降格 ・懲戒処分として行われる降格 があるとされています。 1-2裁判例 使用者

تعليقات


bottom of page