■1 文字にすると、受け手が口頭よりも強く感じることが多い
これはブログ等に限ったことではなく、まさに、労務管理の基本中の基本である「書面での注意指導等」にも当てはまります。
大変多くのご相談で、口頭での注意は長きにわたって何度もやってきたといわれるケースがあります。
普段からその場で注意するのは大事なのですが、注意した側の記憶はあっても「記録」がないのです。
そして、注意を受けた方は、もともと問題ありの社員が多いため、注意をされてもすぐに忘れてしまう(または、反省しない)傾向が極めて高いです。
ですので、複数回目の注意の場合は過去の注意歴も含めて、書面で「注意書」や「厳重注意書」などとして、問題社員に渡すべきです。
渡された方は、良心が残っているなら改善するかもしれませんし、普通の問題社員なら会社に居づらくなってきます。
実は、注意指導などを文字にすると、結構効果がある場合が多いのです。
口頭だけの場合と、文字を含めた場合との比較では、かなり違うと肌で感じます。
■2 問題社員はなぜ辞めないか?
とってもシンプルですが、会社が求める仕事をしなくてもそれほど注意されることがなく、自分にとって好都合で居心地が良ため、会社を辞めません。
そして、上長や管理職が悩んでしまうか、放置したりするので、状況が変わらないまま時が過ぎていきます。
あまりにひどい場合は口頭で注意されると思いますが、本人からすれば、無視しておけばどうせ放置されると思っているのか、ほとんど効き目がありません。
ですので、口頭だけではなく「文字」にするのです。
文字は、口頭より、人の心に刺さりやすいです。
ここぞという注意等をする際、私は、文字と口頭の両方がより良いと思っています。
会社としては面倒なのですが、口頭だけよりは、効果が全然違います。
■3 問題社員にやらせること
これも、とってもシンプルです。
会社が求める業務品質・業務量を、本人にやらせることです。
普通の社員が特に問題なくできている仕事であれば、本人に障害があるなどの事情がない限り、パワハラでもなんでもありません。
ただ普通に、会社が求める仕事をしてもらえばよいだけです。
問題はここからです。
業務命令をしても、問題社員は命令に従わないわけです。
ではどうすればよいか。
かなり以前に取り上げたことですが、毎日、業務日報を書かせるのです。
会社が求める仕事に対して、毎日、朝から退社するまでどのような仕事をしたのか、時間や数値などを具体的に書かせるのです。
■4 業務日報は会社も手間だが、問題社員は非常に嫌がる
上長にもコメントを書いてもらいます。
求める仕事に対する行動結果(事実)へのコメント(淡々と書くのが重要)です。
毎日ですから、会社も手間がかかりますが、問題社員は、ほぼ100%に近い確率で嫌がります。
嫌がる理由は、仕事ができていないことが、日々明らかにされるからです。
そもそも業務日報を素直に書くような人は、問題社員にはなりません。
問題社員としては好都合で居心地のよかった会社が、業務日報を書かなければならないことにより、仕事の結果(事実)が明らかになり、自分にとって不都合で居心地の悪い会社に変わるのです。
繰り返しになりますが、問題社員は業務日報を非常に嫌がりますが、断固として書かせてください。
そうすれば、問題社員の居心地が悪くなり(会社は普通の業務命令をしているだけです)、新天地を探し始めるようになり、問題がいつの間にか解決することが多いです。
いつの間にとは、あえて平均化しますと、だいたい一か月ぐらいでしょうか。
あくまで、業務日報は、問題社員の仕事内容の見える化です。
見える化しないと、教育指導のしようがありません。
教育指導をして、問題社員が普通の社員になってくれれば、それで良いのです。
「なんで私だけに業務日報をかかせるんだ。嫌がらせでありパワハラだ」と主張してくるかもしれませんが、会社としては、本人のどこに問題点があるのかを認識していかないと、改善のための教育指導ができません。
ですから、業務日報を書いてもらうわけで、嫌がらせでもパワハラでもありません。
会社としてなすべき、「改善の機会の付与・教育指導の充実」のために、やるのです。
■5 おわりに
業務日報を書かせることなく、お互い普通に日々を過ごせるならよいのですが、そうでない場合は、業務日報は効果があります。
普通に仕事をしてもらって、普通に賃金を支払うのが、「対等な普通の労働契約」です。
問題のある社員が普通になってくれれば、それでよいわけです。
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