なるほど!書面での注意指導書等の活用ポイント

更新日:7月26日

■1 そもそも書面のタイトルは?

結論としては、自由です。

ですが、個人的には、「事案の軽さや初犯などの順」に、「注意指導書→厳重注意書→警告書→最終警告書」というタイトルの順番付けが好みです。

私の実務感覚では、警告書級以上になってきますと、結構効果が出てきます。

ともあれ、会社内で、事案によってのタイトルの使い分けは、統一された方が良いです。

人によってバラバラだと、受け取る方も重大さの認識がぼやけてしまいますし、会社の意思が伝わりにくくなるかと思います。


■2 書面での注意の時間帯や人数などは?

まず、会議室等での面談で行うべきで、かつ所定労働時間中に実施すべきです。

所定労働時間中なら従業員が勝手に帰る権利はありませんが、所定労働時間外だと、面談をしていても時間外だからと、面談の途中に帰られてしまう可能性があり、その行為は不当ではないと言われかねません。

また、面談時の会社側は二人が良いと、個人的には思います。

特に、労働者が女性の場合は、少なくともお一人は女性の方であるべきと思います。

会議室等の密室で、セクハラやパワハラ主張をされても困りますので。


■3 面談時の留意事項は?

最初に注意文書を封筒に入れず手渡し(注意文書は入ってなかったと言わせないため)、会社側も同じ書面を持ちつつ、口頭で注意すべき事案の全体像を話し、「その内容をまとめた書面の内容を一緒に確認しよう」というスタンスで、その場で内容を読み上げながら確認していくのがベターだと思います。

この際、少なくとも録音は必ずとっておいてください。

なぜならば、このタイミングでの相手の反応がとても大事だからです。


反抗的か、反省しているか、無視してるか等の様子がわかるように、客観的に記録化しておくと良いです。

もし、会社内の防犯カメラなどがあれば、その録画映像も証拠価値はあります。

その場合でも、行動は映像で残りますが、音声が不鮮明であれば証拠価値がほぼなくなりますので、防犯カメラがある場合でも、音声録音は別途に必ずされるべきです。

鮮明な映像と音声があれば、両者を合わせた証拠価値は高いと思います。


もしも、従業員が手渡した書面をビリビリに破ったりしたら、触らずにそのままの状態を写真撮影し、ビリビリの状態でチャック付のビニール袋などで、証拠保全してください。

また、書面を握りつぶして丸めた場合、同様に触らずに写真撮影をし、丸めたままの状態で同様に証拠保全してください。

刑事ドラマでよくみかける、鑑識が保管している証拠のイメージで、ビニール袋に日時場所等が記入されていたらベターだと思います。

かなり、やりすぎ感は否めませんが…。


上記を行うことで、その場で起きた事実が、後日、客観的に立証しやすくなるはずです。


■4 地方の営業所などで、しかるべき管理職がいない場合は?

全国展開等の会社の場合、地方では注意指導できる立場とスキルのある人がいないケースがあるかもしれません。

その場合の対策ですが、本社からしかるべき方が出張されるか、またはオンラインで対応するという手段が考えられます。

ただ、その地方の事業所の責任者を、いずれの場合も必ず同席させてください。

理由は、「本社の人間は、地方の現場をわかってない」という主張に対応しやすくするためです。


■5 中小企業は誰の名前で書面を発行するのが良いか?

中小企業では「会社名+代表取締役名」として注意指導書等を発行した方が良いと思います。

書面で注意指導するのは、場合によっては部長級もありかと思いますが、会社の規模にもよりますが、社長や担当役員がすべき場合が多いと思います。

そのため、注意指導書等を乱発するというよりは、ここぞという時は外さずに必ず出し、その他はケースバイケースで、公平性と会社の実態を踏まえ、一定基準をもって発行されるのが良いと思います。


無難なのは、私にご相談していただいたうえで、書面を発行していただくのが良いかと思います。

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