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シンプルなこだわりSNS規定
2020年10月執筆
1 : 弊事務所の就業規則のSNS規定例
(SNSをはじめとしたインターネット上の情報発信)
第●条 社員は、業務遂行上知り得た情報及び会社の信用を損なう情報をSNS(フェイスブック、インスタグラム、ツイッター等)、電子掲示板、ブログなどインターネット上のサービスで発信、開示してはならない。
(2) 会社は社員が前項に該当する情報を発信、開示していることを発見した場合、その削除・訂正を求めることがある。会社からの削除を求められた社員は会社の指示に従い、直ちに当該情報の削除・訂正に応じなくてはならない。
(3) 前二項の情報とは、会社名等の固有名詞がない場合であっても、投稿内容その他の事情を総合判断すれば固有名詞を特定でき得る場合を含んだものをいう。
【豆知識】
第1項は、第●条の後に続く文言をさし、(1)のような数字を入れないのが通常です。
第2項以下は、(2)というように数字を入れます。
また、前二項とは、この条文の場合、第1項と第2項の二つの項、という意味です。
2 : 冨島の考え方
なるべく簡潔で、かつ守備範囲の広い規定が好みです。
細かく書きすぎますと、あれもこれもとなり、ドツボにはまっていくケースがありますので。
とはいえ、私自身がSNSに詳しくないものですから、詳しく書けないという側面もありますが…。
しかし、情報技術の進歩のスピードは非常に速いですから、せっかく作った詳しい規定が数年も経てば陳腐な物になるかもしれません。
そのため、簡潔で守備範囲が広く、技術の進歩があっても対応できる汎用性のある規定を好みます。
技術の進歩の都度、就業規則を変更していたら大変ですので。
3 : 条文解説 第1項
第1項の規定案作成当初は、SNSの前に「個人で利用する」という文言を入れていました。
しかし、「個人で利用する」という表現には、「本人のアカウント」や「本人が運営する」というような限定解釈をされる余地を残し、家族や友人知人のアカウント等を利用した場合に、「個人で利用する」に該当していないと反論される可能性がありますので、規定確定時に削除しました。
そのため、シンプルに、「SNS」だけにしています。
この方が、幅広い解釈ができる(守備範囲が広い)と考えるからです。
4 : 条文解説 第2項
文言の意味そのままですが、情報の削除・訂正の応諾義務を、社員に課しています。
5 : 条文解説 第3項
ここも考えました。
固有名詞を出さなくても、会社名や社長名、店舗名などを特定できる場合があると思います。
そうであれば、「情報」という文言の定義をしておかないと、また変な反論があり得ます。
そこで、第3項で「情報」を、固有名詞がなくても総合判断により固有名詞を特定でき得る場合の情報を含む、と定義しました。
そして、この第3項の定義は、当然、第1項と第2項に規定されている「情報」という文言に適用されると、規定しました。
6 : まとめ
このように簡潔な規定であっても、SNSをはじめとしたインターネット上の情報発信に対して、幅広く対応ができると考えています。
上記で述べましたとおり、「個人で利用する」という文言を入れたりしますと、限定解釈されるリスクが残ると考えますので、なるべくシンプルな規定が良いとかと思います。
規定の趣旨によっては、細かい方が良い場合もあるかと思いますが、全体としては、やはり「わかりやすく対応しやすい規定」が会社にとっては良いかと思います。
※あえて、わかりにくい規定を作成することもありますが…。