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出勤停止処分
新聞報道で「〇省の職員が、3ヶ月の停職処分になった」等の記事を、よく目にします。
これは、人事院規則を根拠にした処分です。
では、民間企業で「出勤停止」はどうすればよいのでしょうか。
実は、出勤停止の期間については法的規制はなく、民法の公序良俗による制限があるにすぎません。
それ故に、公務員同様の長期の出勤停止期間を設けている企業もあります。
しかし、私の実務では採用しておりません。
私の実務では、「7日以内」としています。
戦前の工場法では、7労働日と規定されていました。
そんなの、短すぎる!と思われるかもしれませんが、ある理由があります。
それは、もし長期の出勤停止を規定していたら、懲戒解雇の正当性を争った場合、会社にとって不利になる可能性が否定できないから、という理由です。
なぜ、不利になる可能性が出るのか。
それは、裁判で「長期の出勤停止を設定しているのだから懲戒解雇ではなく、3ヶ月間の出勤停止でも良かったのではないか」と判断される可能性があるからです。
すなわち、長期の出勤停止は懲戒解雇をなるべく避ける意味で設けたのでは、と解釈される可能性が否定できないのです。
ですから、私の実務では、「7日以内」としています。
私は普通解雇も原則せずに合意退職の方向へもっていきますので、懲戒解雇をするケースは少ないかもしれませんが、悪質な事案を発生させた労働者が出た場合、どうしても検討しなければならないこともあります。
長期の出勤停止の規定により、懲戒解雇処分に対する会社の裁量権を狭めかねない事態を招くより、短くして会社の裁量権を広く持てる可能性を残しておいた方が、いざという時に良いと考えています。