採用面接時に反社会的勢力に関する調査は可能か?

冬季オリンピックも終わり早くも3月となりましたが、いかがお過ごしですか。

先月(2018年2月)下旬ごろ、日本郵便の契約社員が正社員との格差があるとして訴えた裁判の判決が大きく新聞で報道なされるなど、待遇格差の不合理性を問う裁判が非常に多くなっています。

これらについて、今後最高裁がどのような判断を示すのか、社労士の私としては注視しています。

また、過労死防止へ、厚生労働省以外の行政の取り組みも加速しています。

同じく先月下旬の新聞報道によりますと、トラックなどの自動車運送事業者が労務関連法令に違反した場合、国土交通省は行政処分を強化する予定とのことです。

例えば、1日16時間超の拘束時間となる違反が一定以上あった場合、現行の20日間の車両停止処分を40日間に引き上げるようです。

電通事件以降、本当に行政の取り組みが大きく変わりました。

この変化に何とかついていかないと、事業継続が苦しくなることもあり得る状況になりつつあると感じています。

本当に今の時代の変化に対応するのは簡単ではありませんが、真正面からご一緒に乗り越えていきたいと思っております。

 

前置きが長くなりましたが、本題に入ります。

今回は、「採用面接時に反社会的勢力に関する調査は可能か?」と題してできるだけ簡潔に述べたいと思います。

1 採用の自由と禁止事項

企業には、採用に関して、法令に反しない範囲で、情報収集や調査を行う自由があり、その取得した情報を理由に採用拒否することも自由であると考えられています(三菱樹脂事件・最大判昭48.12.12参照)。

一方、原則禁止されるものとしては、職業安定法とその指針(行政解釈)が参考になります。

広く知られているのは、人種本籍・思想信条や労働組合への加入状況などになります。

2 業務上の必要性のある情報

上記のような禁止事項はありますが、業務上の必要性があり、業務の目的達成に必要不可欠で、目的を示して本人から収集するのであれば、企業が取得したい情報は、収集が広く認められると考えられています。

収集してよいかどうか判断に迷うことがあると思いますが、法令に反しないもので、業務上の必要性等があれば、最高裁が示しているように、企業には広く情報収集の自由があると言えます。

3 反社会的勢力に関する調査

昨今は、暴力団排除条例や反社会的勢力でないことを確認する取引先との契約書等が、広く一般化しています。

自治体と契約をする企業であれば、当然、反社会的勢力との関連がないことの情報確認は強く求められます。

このような社会情勢もあり、上記1.2も考えあわせると、業務上の必要性は高いと思われるため、企業が反社会的勢力に関する調査をすることは可能でしょう。

4 調査に際し注意する点

ただし、求職者本人以外の親族等が暴力団員であったかどうかなど、本人以外の情報を収集できるかどうかは、一般的には、反社会的勢力を特に排除しなければならない事情がないと難しいと思われます。

また、求職者本人からどのように調査をするかですが、後日何かあった場合の証拠にするため、書面での調査がよいと考えます。

ちなみに、無理矢理に調査するというのは好ましくありませんので、一工夫必要です。

実際にどのような書面で調査したらよいか、顧問先のお客さまには無料で書式を差し上げますので、ご希望の会社さまはメールにてその旨ご連絡ください。

5 まとめ

反社会的勢力との関わりの有無を確認せずに雇用してしまい、自社の取引先との契約に悪影響が出てはいけません。

やはり、業務上の必要性に応じた調査はすべきと考えています。