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平成30年施行改正職安法 求人票等の労働条件の変更
1 労働条件変更等の明示義務
求人を出している会社等が、求人票等で明示した労働条件と実際の労働条件を変更等する場合には、労働契約を締結する前に、労働条件の変更内容等を明示しなければなりません。
具体的には、次のような場合に変更等の明示が必要となります。
また明示方法についても触れられています。
【厚生労働省リーフレットより引用】
(1)「当初の明示」と異なる内容の労働条件を提示する場合
例)当初:基本給30万円/月
⇒基本給28万円/月
(2)「当初の明示」の範囲内で特定された労働条件を提示する場合
例)当初:基本給25万円~30万円/月
⇒基本給28万円/月
(3)「当初の明示」で明示していた労働条件を削除する場合
例)当初:基本給25万円/月、営業手当3万円/月
⇒基本給25万円/月
(4)「当初の明示」で明示していなかった労働条件を新たに提示する場合
例)当初:基本給25万円/月
⇒基本給25万円/月、営業手当3万円/月
変更明示は、求職者が変更内容を適切に理解できるような方法で行う必要があります。
以下の(1)の方法が望ましいですが、(2)の方法などにより適切に明示することも可能です。
(1) 当初の明示と変更された後の内容を対照できる書面を交付する方法
(2) 労働条件通知書において、変更された事項に下線を引いたり着色したりする方法や、脚注を付ける方法。
2 求人票等による募集時の明示事項の追加
今回の改正では、定額残業手当制度(固定やみなし等の名称問わず)がある場合、「残業の有無にかかわらず●時間分の時間外手当として●円を支給、●時間を超える残業には残業代の差額を支給など」を必ず求人票等に明示しなければならなくなりました。
これも非常に気になっています。
今後の定額残業手当制度の有効性に、それなりの影響を及ぼす可能性があるからです。
その他、試用期間に関する事項なども明示事項として追加されています。
3 今後の対応策
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採用面接後に労働条件を決定する予定の場合(このケースが多いと思いますが)、求人票等での断定的な記載はしない。
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変更等の明示の時期は、採用決定を応募者に伝える前に明示する。
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変更内容等の説明を書面交付により行う。
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同書面の記載で、変更等について本人からどういう条件で承諾をとるかなど、明確にする。
→上記書面は非常に重要であると考えています。
→この書面を作成し記録に残すことで、後にトラブルが発生した場合でも有効に活用できると思います。
※この書式のひな型を、弊事務所でご用意しております。
※ひな型をご希望の場合、顧問先のお客さまには無料で差し上げますので、その旨ご連絡ください。
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さらにより良いのは、変更内容等の上記説明書面を用意したうえで、面談でも説明をする。
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定額残業手当制度がある場合、求人票等の記載には十分気を付ける。
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試用期間も漏れなく記入する。
4 まとめ
求人票等の記載内容を争点にしたトラブルが増加することは、確実だと思います。
トラブル発生前に、できることをやっていくしかありません。
近年の労働法改正全般でやるべきこと、気を付けるべきことがたくさんありますが、私にご相談いただきながら、深刻なトラブルに巻き込まれないよう十分ご留意ください。
巻き込まれた後は、時間と労力、お金が本当にかかりますし、心身ともに疲れ果てます。
そのような経営者の方を見たくないというのが、私が社労士を志したきっかけでもあります。