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未払い残業代請求に対するコスト
未払い残業代請求に対するコストについて考えてみたいと思います。
従業員数が多くなればなるほど、当然ですが、未払い残業代請求に対するコストは上昇します。
これから述べますことは簡単な計算でわかることで当たり前のことなのですが、当事者になってみないと本当の意味での実感がなかなかわきません。
時給換算1,000円の人の最低限の残業単価は、1250円です。
このような賃金の従業員が100人いる会社で、1労働日あたり15分間の会社が認識していない残業時間があったとします。
仮に、1ヶ月の労働日が22日だとしますと、一人あたり月に5.5時間分の残業時間になります。
1時間1,250円ですから、一人あたり月に6,875円になります。
会社には100人従業員がいますので、会社全体で一月あたり687,500円になります。
賃金の請求は2年間さかのぼってできますので、687,500円×24か月=16,500,000円の未払い残業代があることになります。
計算は1労働日あたり15分間ですから、もし30分間であれば、33,000,000円の未払い残業代になってきます。
このような会社にとっての債務(未払い残業代)があったとして、労基署から是正勧告があり、2年間さかのぼって未払い残業代を支払いなさいとなると、当然話しは簡単ではありません。
さらに、集団訴訟等になってしまうと、もっと話しは深刻になってきます。
会社が負担する弁護士費用なども、軽くは考えられません。
時給換算1,000円の前提が、さらに倍の2,000円になれば、また倍になってきます。
その他、残業代の計算方法・支払い方法も未払い残業代に当然影響してきます。
億の大台にのることも、十分考えられます。
私の経験上、上記のような会社の債務(少なくとも2~3千万円)は、結構あると思っています。
*100人の従業員の会社であれば、一人あたり20~30万円です。
未払い残業代請求に対するコストを従業員100人規模の会社で考えますと、かなりの金額になることが想定できます。
上記のような事案になって、経営者の方が得をすることはありません。
今後のための高い授業料にはなり得ますが・・・(よくお聞きします)。
想定できるリスクは回避できます。
今一度、会社が認識していない残業が本当にないのかどうか、点検なさってみてください。