未払い残業代請求が5年間分になる時代が来る?

先月(2017年11月)の日経新聞に、「未払い賃金請求、最長5年に サービス残業抑制へ検討」という見出しの記事が出ていました。


ご覧になられた方も多いかと思います。


民法改正にともなっての動きですが、やはり来たか、という印象です。


現在は未払い残業代請求をされても時効は2年ですが、今後の議論により、5年まで遡及可となる可能性があります。


私はかなりの高い確率でそうなると思っています。


2年間もかなりのものですが、その2.5倍の5年間ですから、必然的に請求金額も比例して多額になってきます。


 


新聞報道によると、東京オリンピックの2020年にも施行することにしているとのことです。


ということは、最短で、もうあと2年余りということになります。


 


以下に、5年という期間が法律として確定した場合、簡単に予測できるリスクを挙げたいと思います。


1 労基署からの是正勧告で未払い残業代を5年間遡及払い


個人的には、これが一番といってよいぐらい気になっています。


下記2以降で述べる点も、全従業員からの請求というのはあり得ますが、請求するという具体的行動にいたらない従業員さんも少なからずいると思います。


しかし、労基署から全員分支払いなさいとの是正勧告を受けた場合、かなり苦しくなります。


虚偽の報告は絶対してはなりませんし、かといって、従業員全員に5年分の未払い残業代を支払う原資もない、というケースが出てくると思います。


現在でも2年分を遡及払いすれば、会社経営はかなり苦しくなるかと思います。


それが、2.5倍になれば、もうなすすべがないということになるかもしれません。


私の考え得る真っ向勝負の対応策が、一つだけ残ってはいますが・・・。


 

2 弁護士からの未払い残業代請求事案の増加

今でさえ、多いです。


請求可能金額が2.5倍になれば、今よりも増加するのは確実です。


集団で請求されたら、かなり苦しいです。


3 労働組合からの未払い残業代請求事案の増加

上記2と同様ですが、必ず増加するはずです。


増加しないという要素が見当たりません。


組合との団体交渉になりますから、上記2よりも、請求してくる人数は多くなるかと思います。


会社で一人だけの組合員ですめばまだましですが、なかなかそうはいかないケースが多くなってくるかと思います。


4 今もこれからもやるべきこと


やはり、未払い残業代のない社内の労務管理を目指していくのがベストです。


そうしないと、心配や不安がさらに増加するだけです。


その入り口として、繰り返し申し上げている「労働時間管理」は大変重要です。


 


労働法改正全体が会社・経営者の方にとって向かい風ばかりですが、時代の流れですので、私もより一層知恵を絞って助言等をさせていただこうと、改めて決意をしております。