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周知

労働法において「周知」すべきものの代表格に、就業規則や賃金規程があります。

他にも36協定等の労使協定もあります。

労使協定の周知につきましては、会社の掲示板などにコピーを張り出しておけばよいと思いますが、就業規則や賃金規程はどのように周知すべきでしょうか。

枚数も多いですから、掲示板に張り出すのも難しいでしょうし。

私が推奨しているのが、就業規則等の諸規程はすべて印刷して、従業員の方全員に手渡し、書面で受領確認までとる方法です。

これなら、規程等を見たことがないとは言えないでしょう。

なぜ、こんなことを述べているかと申しますと、紛争になった時、労働者側から会社の諸規程を見せてもらっていないと言われた場合、かなり苦しくなるからです。

就業規則や賃金規程等の私法的効力は、労基署に届け出て効力が発生するのではなく、当該規則規程を従業員に周知した段階で発生します。

つまり、周知(いつでも自由に見ることができる状態)されていない規程等は、効力が発生していない、または、裁判において否認されることがあります。

ですから、「完全周知」には印刷して従業員全員に手渡し、書面で受領確認をとるというのが一番かと思います。

一番よろしくないのは、社長や総務部長の机の引き出しに入っているケースです。

また、書類棚等に置いておく場合も、紛争になったとき、いろんな書類とごちゃ混ぜになって規程等が周知されていなかったと言われると、会社としては苦しくなります。

このホームページをご覧になられた会社様は、是非「従業員全員に手渡し、書面で受領確認をとる」という対応をなさってください。

いざ紛争が起こった時に会社が立証しなければならない事については、これでもかというくらい徹底した対応が本当に大事だと、強く感じます。

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