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労基法改正による賃金請求権の時効と記録の保存期間
労基法改正による賃金請求権の時効と記録の保存期間」をご紹介したいと思います。
「厚生労働省の改正労働基準法等に関するQ&A」で、ご留意いただきたい点についてコメントさせていただきます。
1 賃金請求権の時効
ご存じのとおり、民法改正により、労基法の賃金請求権の時効も改正されました。
これまでは2年でしたが、5年に改正され、当分の間は3年となっております。
昨年の4月以降に支払った賃金から、まずは3年の時効となります。
ですので、仮に、今まさに「過去3年分の未払い賃金の請求」をうけたとしても、現時点では過去2年分で足ります。
3年分を請求されても、特殊なケース(割愛します)を除き、今は2年で法的には問題ありませんので、間違えて3年分の支払いに応じないでください。
実際に3年の時効が適用され始めるのは、令和4年4月以降からの「未払い賃金の請求」になります。
例えば、令和4年6月に請求された場合、「令和2年4月支給分の賃金から請求時点までの分」となります。
よって、令和4年4月以降は、「未払い残業代請求」の事案が必ず増えますし、広告も増えるはずです。
未払い残業代があるならば、今から、対策を講じる必要があります。
2 記録の保存期間
記録の保存期間も「当分の間は3年」となっております。
しかし、個人的には、今から「最低でも5年保存」が良いと考えています。
理由は、理屈的には解雇に時効はなく、争いになった場合に会社がいつでも反論できるようにするため、などです。
他にも小難しい理由はありまして、割愛しますが、いずれにしましても「最低5年」、「個人的にはベストはずっと、ベターは10年」と考えています。