働き方改革「長時間労働(労働時間管理)と同一労働同一賃金」

先月(2016年12月)から現在に至るまで、労働局が労基法違反の容疑で大手企業を書類送検する事案が続いています。

今回は、政府が議論を進めている働き方改革について、私の感じていることを述べたいと思います。

少し長いですが、お付き合いください。

様々なことが議論されていますが、私が大事だと思っているのは、「長時間労働(労働時間管理)」と「同一労働同一賃金」です。

まず、長時間労働ですが、大手広告代理店の事件もあり、政府が本気で取り組んでいるのは新聞報道等からもよくわかります。

36協定の特別条項の扱いなども、見直しされる可能性が高いと思います。

そのうえで、私が更に注目しているのは、「労働時間管理」についてです。

長時間労働かどうかを判断するにしても、そもそも労働時間が何時間あったのかという点から始まります。

そこで、まずは労働時間管理が適正に行われているかどうかが、再度徹底されるのではないかと考えています。

すでに通称「46通達」と呼ばれるものが出ていますが、今後さらに適正な労働時間管理をして残業時間数を正しく把握するようにと、行政から何らかの情報発信があると思っています。

※4月6日に出たため、日付にちなんで「46(ヨンロク)通達」と呼ばれています。

業種により、また、会社により、労働時間管理の方法は様々です。

今のところ、タイムカードの導入は、法的義務ではありません。

しかし、始業終業などの労働時間の記録が全くないと、何かあった場合、会社としての反証が困難です。

そのため、客観的な記録が残る方法で労働時間管理をし、始業時刻から終業時刻までの間の実労働時間と休憩時間を詳しく把握していくのが良いと考えています。

労働時間管理に客観的な記録が残る方法を選択しつつ、実労働時間を削減できる対策をコツコツする、というのがベターだと考えています。

※労基法は実労働時間主義で、実際の労働を1分単位でカウントします。

次に、同一労働同一賃金ですが、昨年の12月20日に「同一労働同一賃金ガイドライン案」が示されました。

これも新聞報道等で大きく取り上げられました。

ただ、現段階では、まだ「案」です。

厚生労働省もホームページで、次のように述べています。

適宜厚生労働省ホームページ引用

ガイドライン案は、現時点では「案」であり、今後、関係者の意見や改正法案についての国会審議を踏まえて、最終的に確定され、これから検討される改正法案の施行時期に合わせて施行される予定です。このため、今回のガイドライン案を守っていないことを理由に、行政指導等の対象になることはありません。※現行の労働契約法(20条)、パートタイム労働法(8条・9条)でも、正社員と非正社員の間の不合理な待遇差を禁止しています。

ですから、今回のガイドライン案に今すぐ合わせる必要はありません。

ただし、かなり踏み込んで述べていますので、今の段階からできる準備等は検討された方が良いと考えています。

例えば、賞与について、ガイドライン案では

「賞与について、会社の業績等への貢献に応じて支給しようとする場合、無期雇用フルタイム労働者と同一の貢献である有期雇用労働者又はパートタイム労働者には、貢献に応じた部分につき、同一の支給をしなければならない。また、貢献に一定の違いがある場合においては、その相違に応じた支給をしなければならない。」

としたうえで、

<問題となる例1>賞与について、会社の業績等への貢献に応じた支給をしているC社において、無期雇用フルタイム労働者であるXと同一の会社業績への貢献がある有期雇用労働者であるYに対して、Xと同一の支給をしていない。<問題となる例2>賞与について、D社においては、無期雇用フルタイム労働者には職務内容や貢献等にかかわらず全員に支給しているが、有期雇用労働者又はパートタイム労働者には支給していない。

と例示しています。

<問題となる例2>はケースとしては少ないと思いますが、<問題となる例1>は貢献度が数値化できない場合なども想定でき、微妙な感じがしています。

今回のガイドライン案では、会社の説明義務までは明確にしていませんが、会社としては、同一労働ではないから同一賃金ではないのだと客観的に説明できるよう、取り組み可能なことからコツコツ準備していただくのが良いと思います。

最後に、下記※はすでに裁判などで争っていますので、そもそも注意しなければなりません。

※現行の労働契約法(20条)、パートタイム労働法(8条・9条)でも、正社員と非正社員の間の不合理な待遇差を禁止しています。