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「言わなくてもわかるだろう」的な労務管理

■1 アマゾンで買い物をするときに

サイトの掲載情報だけでは不明な場合、夜の時間帯にカスタマーサービスと電話でやり取りすることが、たまにあります。

昨年夏ごろからでしょうか、外国の方が対応されるケースが出てきました。

(アマゾンでも、人手不足なのかもしれません。)

 

■2 日本語のニュアンスが

質問すると、私の日本語がよろしくないのか、聞きたいポイントがなかなか相手に伝わりません。

何回か同じような経験をしましたが、一つの結論として、外国の方には会話時の日本語に含まれるいろんなニュアンスが理解しづらいのだと、確信するようになりました。

(あとは、私の質問の仕方の問題かと…。)

私は日本語しか話せませんし、私が話していることは「言葉でわざわざ表現しなくても、相手は理解してくれるだろう」との、それなりの思い込みがあります。

「言わなくてもわかるだろう」的なものは、私だけでなく、多くの日本人にもあると思っています。

 

■3 外国の方は日本人と同じようにはいかない

「言わなくてもわかるだろう」的なものは、外国の方には通用しないのだと思います。

言わないとわからないと思いますし、より具体的に言及しないと、よく理解してもらえないと思います。

これは、私とアマゾンのカスタマーサービスに限ったことではなく、外国の方を雇用している会社の現場でも同様だと思います。

現時点では、外国の方を雇用されているお客さまは多くはありませんので、ご相談も少ないのですが、これまでいただいたご相談内容からして、「言わなくてもわかるだろう」的な労務管理だと、外国の方との労務トラブルが発生する可能性は日本人より高いと思います。

 

■4 平成生まれの日本人も類似の傾向?

今年(2019年)49歳の私と、今30歳ぐらいの方では、約20歳もの年齢差があります。

私が社会に出るまでは、メールを使うようなことはありませんでしたし、スマホも当然ありません。

大学在籍当時にポケベルが普及し、社会に出て何年も経ってからやっとガラケーが普及したと記憶しています。

しかし、今の30歳ぐらいの人たちは、20歳のころにはスマホがありました。

そのため、会話でのコミュニケーションが減り、同じ日本人でも、若い方の間では、「言わなくてもわかるだろう」的なものが減っているのではと感じます。

(文字主体のコミュニケーションが多くなっていますから。)

そうしますと、ある意味で、外国の方を雇用する場合と少し似ているのかもしれません。

「言わなくてもわかるだろう」的な労務管理は、若い方にはなかなか通用しないと感じます。

より具体的な説明を伴った指導力が必要だと感じます。

 

■5 最後に

アマゾン → 外国の方 → 30歳ぐらいまでの若い方と、やや強引に話を展開してきましたが、結論として何を申し上げたいかといいますと、「社会の変化に応じて、これまでの概念を変えなければいけない。これまでの概念に社会が戻る(あわせてくれる)というのは、まずあり得ない」ということです。

労務の分野では、「変化した労働市場への対応」がどうしても必要です。

私自身、この変化への対応をさらに考えていかなければならないと、強く感じております。

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