減給処分

懲戒処分の中で、意外に知られておらず、また、常識的な感覚とは少し違うものがあります。

それは、減給処分です。

 

新聞報道などで、国家公務員が減給3か月の処分にされた等の話はよくみかけます。

これは、人事院規則により処分期間等が定められていて、その規則に沿って処分がなされています。

 

では、民間企業ではどうなのでしょうか。

結論は、減給3か月という処分はできません。

 

労働基準法が適用される民間企業では、懲戒事案1回に対して「平均賃金の1日分の半分まで」の減給しか認められません。

また、複数回の懲戒事案が発生した場合でも、減給の総額が一賃金支払期(通常の場合1か月)の賃金総額の10分の1を超えてはいけません。

 

例えば、1か月の賃金総額が30万円で平均賃金の1日分が1万円だとすると、1回につき5千円まで、1か月でも3万円までしか減給処分はできません。

 

つまり、1か月の短期の間に6回もの懲戒事案が発生しても、微々たる金額しか減給できないのです。

毎月の賃金総額がいくら多くても、当然、法律上同じ扱い(減額率は同じ)になります。

 

国家公務員に適用される人事院規則とは違い、民間企業の労働者に適用される労働基準法は、かなり優しい法律なのです。