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労使間の信頼関係
人手不足・少子高齢化が顕著になっている現在ですが、今後、中小企業のお客様の現場で大事になってくると私が思っていることを述べたいと思います。
あくまで私の個人的な見解ですが。
私の基本は、労務問題を未然に防ぐことです。
時代が変化していっても、この基本は変わりません。
トラブル防止の労務管理をしつつ、時代の変化にも対応し、企業が生き残っていくためのキーワードは何か。
私は、「労使間の信頼関係」だと思っています。
信頼関係がある従業員との間では、労務問題は通常起きません。
信頼関係が崩れたら起きてきますが。
信頼関係があれば、当然、離職率が低くなります。
自身の健康が理由でもう働けないなど、特別の理由がない限り、あまり離職しないはずです。
賃金だけの労働条件ではなく、様々な働く環境に対し、従業員満足が高い(=信頼関係強い)からです。
ネットで「従業員満足」と検索すると、「従業員満足度とも呼ばれる。従業員の会社に対する満足度を高めることが、企業の業績を向上させる事につながるという考えのことをいう」と出てきました。
たしかにそうだなと思います。
信頼関係と言葉にするのは簡単ですが、構築するのは本当に大変だと思っています。
一朝一夕でできるものではありませんし、単に賃金を上げるだけで築けるものではないと思っています。
信頼関係構築のために何が大切かは、皆様がよくご存じのとおりです。
あえて私が申し上げるとすれば、「従業員のことをよく知り、認めて、ほめること」だと思います。
「承認欲求」という言葉がありますが、今後の労務管理で非常に大事だと感じています。
「承認欲求」は昔から(社労士になる前から)大事だと思ってきました。
※良い意味での「承認欲求」です。
普通の従業員は、「社長が自分のことを知ってくれている、認めてくれている」と感じると、仕事を頑張るものです。
仕事を頑張る従業員をみて、社長も喜びます。
さらに、社長からほめられたら、従業員はさらに仕事を頑張ります。
こういった流れが、労使間の信頼関係を築くことにつながる、と強く感じています。
まったく逆のパターンで「従業員のことをあまり知らない、・・・」とどうなるでしょうか。
言うまでもありません。
労務問題が起きる要因の一つとして、「従業員のことをあまり知らない」ケースは結構あると感じています。
コミュニケーションがそもそもなければ、従業員のことを知る機会が激減します。
結果、信頼関係が築けず紛争が起きてしまった、となっているように感じます。
話が少しそれますが、従業員数がかなり多くなっても社長との信頼関係がしっかりしている会社とは、どのようなケースが多いでしょうか。
それは、社長の右腕の幹部社員と従業員との信頼関係がしっかりしているケースです。
私はよく、「番頭さんがしっかりしている」と表現します。
番頭さんがしっかりしている会社は、労務問題が少ないです。
従業員数が多くなればなるほど、番頭さんはキーパーソンだと思います。
これからの時代の労務管理を考えたとき、労使間の信頼関係はますます重要になってくると感じています。
労務管理の助言をさせていただく際に、この観点をより強く意識していこうと考えています。