パワハラと言われないための注意指導

1 パワハラ

パワーハラスメントとは、(1)優越的な関係を背景とした言動であって、(2)業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより、(3)労働者の就業環境が害されるものであり、(1)から(3)までの3つの要素を全て満たすものとされています。

2 指導注意とパワハラが微妙なのは

上記1の(1)は、上司から部下への注意指導であれば、必ず該当してきます。

悩ましいのは、上記1の(2)です。

問題社員に対する注意指導が、「業務上必要」であり「相当な範囲」を超えていない必要があります。

このようなパワハラに該当しない注意指導としていくためには、以下のような点を意識していただくのがと良いと思います。

A.改善させるべき問題行動とは何かを具体的に特定→5W1Hを必ず意識し、可能な限り明確にしながら

B.上記Aを改善させるために、指導するべき適切な内容は何かを確認→改善結果はいつまでにどれぐらい等、時期と数値などを明確にし、場合によっては上司がサポートすることも

C.上記Bを、どのような表現で本人に伝えるのが適切か、言葉を選ぶ

3 パワハラと言われないための注意指導

【3-1まずは、冷静にノートに箇条書き】

問題社員の仕事ぶりをみていて、問題行動が多い(初回でもひどい)と思ったその時が、注意指導のタイミングです。

その際、感情的にならずに、理路整然と注意指導していくことが大事です。

そのために、まずは、(仮称)部下指導ノートを一冊用意して、上記2のA.B.Cの順番で、話をする内容を、箇条書きで書きだしてみることです。

箇条書きで整理して書けないということは、感情が高ぶっており、冷静な頭になれていないということだと思いますので、そのような状態で話をするのはリスクが高いです。

つい感情的な言動になってしまい、パワハラされたと、問題社員からいわれかねません。

  

【3-2皆の前で注意指導しない】

箇条書きして話の内容が整理できれば、会社の会議室などで面談します。

他の従業員の前ではしないでください。

会社側としてはもう一人、書記係になる方に同席してもらい、記録してもらうのが良いです。

担当上司は、箇条書きで整理した内容を、冷静に相手に伝えます。

相手の主張があれば聞きますが、長くなるようであれば、「●さんの話の内容を正しく理解したいので、言いたいことを別途書面にして提出してほしい」旨を伝え、話を終わらせて、面談時間がいたずらに長くならないよう工夫する必要があります。

 

4 最終的に面談での注意指導で改善しなければ

問題行動の内容にもよりますが、何回か上記のような面談での注意指導をしても改善しなければ、厳重注意書等を出すべきです(事案によっては初回でも)。

その際、過去の面談での注意指導内容(上記2で整理しているため5W1Hは限りなく明確で、面談内容は書記係の記録もあり)を、時系列で明記します。

本人が●月までに改善すると約束したことなど、細かいところまで書き入れます。

この厳重注意書等は、ある程度普通の人であれば、それなりの効き目があります。

それでも改善しなければ、事案によりますが、懲戒処分を検討します。

さらにそれでも改善しなければ、退職勧奨などの判断をせざるを得ない場面になってきます。