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労務問題のコスト

労務問題は、労働者個人のパターンと労働組合などの集団のパターンがありますが、ここでは労働者個人で考えたいと思います。

 

高額になるケースが多い、代表的なもの3つを取り上げます。

1 労災が認められ、安全配慮義務違反を問うて損害賠償請求

死亡事案の場合、慰謝料だけで約3000万ほどはかかるかと思います。

労災保険には、自賠責保険と違い、慰謝料部分がありません。

従いまして、労災認定されても、慰謝料減額にはなりません。

その他、年齢・収入などにより、損害額が算出されます。

自動車事故の損害額算定をイメージしていただくと、わかりやすいと思います。

2 解雇無効とされた場合

会社に不利な解雇事案で本気の裁判を起こされ、賃金仮払い仮処分の決定が出ると、かなり高額になってくる場合があります。

年収の2年分ぐらいになるケースも耳にします(最悪、賃金仮払いと賃金本払いの二重払いも)。

会社に不利な解雇事案で、裁判を長引かせるのは得策ではないのだと思います。

 

最近は労働審判(本気の裁判の前段階)が多いですが、この場合でも、年収の1年分とかになる場合もあります。

労働審判の場合、解雇の解決金と未払い残業代の二つをまとめて、和解金とする場合も比較的多いと思います。

会社に不利でない解雇事案でも、月収の何カ月分とかもあります。

 

解雇事案は、普段から会社が気を付けていれば、原則防げると思います。

ほぼ100%の会社勝訴の根拠がない限り、解雇せずに他の方法を考えれば良いですし、経営者の方や管理職の方が言葉づかいを十分注意していれば、

私のこれまでの実務経験では防げています。

3 未払い残業代請求

定額残業手当が否定されたという場合以外で、管理監督者性を否定された場合なども高額になってきます。

労基法上の管理監督者であれば、深夜残業以外の割増賃金を支払わなくて済みますが、管理監督者性を否定されると、通常の労働者と同じ扱いになり、深夜残業以外の支払っていなかった残業代支払いを求められます。

基本給や役職手当がそもそも高めの人が多いですから、未払い残業代も高くなります。

この事案も、事前に対策しておけば十分防げます。

4 些細なうちに

以上、代表的なもの3つを取り上げましたが、2つ目・3つ目は日常の労務管理をきちんとしておけば原則防ぐことが可能なケースです。

1つ目は万が一に備えて、民間保険を活用する方法などが考えられます。

労務問題を未然に防ぐため、また、コストをなるべく最小化するためにも、何かありましたら些細なうちに、まずはご相談ください。

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