■1 令和6年4月1日からの労働基準法施行規則改正の概要
厚生労働省パンフ「2024年4月から労働条件明示のルールが変わります」から引用
【追加の明示事項と明示のタイミング】
1. 就業場所・業務の変更の範囲
→ 全ての労働契約の締結時と有期労働契約の更新時
2. 更新上限(通算契約期間または更新回数の上限)の有無と内容
→ 有期労働契約の締結時と更新時
3. 無期転換申込機会
→ 無期転換ルールに基づく無期転換申込権が発生する契約の更新時
4. 無期転換後の労働条件
→ 無期転換ルールに基づく無期転換申込権が発生する契約の更新時
■2 上記■1の1と2は冨島のひな型で原則対応可。しかし、有期契約の場合は要注意
現時点で、上記パンフレットに関する細かなことは、まだ厚生労働省から出ていません。
1と2は、冨島のひな型をご利用いただいている会社様で、その部分に対応した文言(配転可能性と更新上限)が入っている労働契約書であれば、原則として足りていると考えています。
ただ、有期契約の方で、仕事場所がシフト等によって変わる場合、また業務(そもそも一つの業務の範囲が不明確)もシフト等によって変わる場合には、もめそうな気がします。
一義的には労働者と揉めるのですが、労基署に関与される揉め方は少ないはずで、労働組合関与型は拗れたときに結構揉めると思います。
シフト等でA店とB店の掛け持ちをしたり、C業務とB業務の掛け持ちをしたりする場合は揉めそうな気がします。
■3 上記■1の3と4はできればなるべく早く、遅くとも今後の情報をもとに要検討
今回の改正で新しく出てきたルールで、無期転換ルールが浸透していないため、このような改正がなされたと考えております。
※■1の1と2も新設ですが、私はルール化の前から実施していました。
確実に言えますことは、無期転換をされても良いように、無期転換組の定年を設けておくことです。
そうしませんと、働けるうちは100歳でも働けるということになります。
労働条件は、有期が無期になるだけというようにしておき、無期になれば定年が必ずあるということにすべきです。
ここで注意しなければならないのは、有期のままでも、雇止めができない人(ここでのご説明は割愛します)は、同じく100歳でも働けるという現行の法律になっているということです。
有期契約社員の就業規則、そして無期転換後の無期契約社員の就業規則があれば、これらを完璧に回避できるかと言いますと、まだ判例がないため、100%大丈夫とは言えない状況(例:満65歳更新上限の規定が無効とされるリスクは判例がないため不明)ですが、何もなければ、無防備のままということになります。
これらのことから、有期契約社員さんがいるお客様におかれましては、本当は有期契約社員と無期契約社員の就業規則がないと危険なのです。
せめて、せめて、労働契約書において最低限でも対応しておかれないと、本当に全くの無防備となってしまい、嫌な展開しか想像ができません。
■4 冨島が一番心配するのは何?
私は、有期契約の場合の■1の1が一番心配です。
同2が僅差で心配です。
無期転換に関する部分は結構気にはなりますが、上記ほどではありません。
正社員用の就業規則と労働契約書は確実にきちんとすべきですが、日本の有期契約の労働者の方は年々増加しておりますので、該当企業のお客様では、待ったなしになってくるかもしれません。
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